ウォルター・サレスはリオデジャネイロ生まれのブラジルの映画監督であり、故郷喪失・記憶・ラテンアメリカの自己認識を見つめる人間味あふれるロードムービーとドラマで高く評価されている。父を探す孤児の少年とともにブラジルを横断する、かつての気難しい教師の旅を描いた『セントラル・ステーション』はベルリンで金熊賞を受賞し、国際的にもっとも愛されるブラジル映画の一つとなった。若き日のチェ・ゲバラが南米を横断する形成期の旅を綴った『モーターサイクル・ダイアリーズ』は、親密な自己発見をより広い政治的・歴史的な覚醒と結びつける才をさらに深めた。ジャック・ケルアックの小説を翻案した『オン・ザ・ロード』はアメリカ文芸翻案への幅を示し、ブラジルの軍事独裁下で失踪した父をめぐるある家族の真実の探求に基づく『アイム・スティル・ヒア』は、あらたな国際的称賛とアカデミー国際長編映画賞をもたらした。個人的・政治的な発見の旅に一貫して注目するその作風は、サレスをブラジル映画でもっとも国際的に重要な監督の一人にした。
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