サミュエル・フラーはマサチューセッツ州ウースター生まれのアメリカ人監督で、自らの歩兵としての戦闘体験と大衆紙の事件記者としての体験に直に根ざした、無骨で痛烈なジャンル映画で称えられる。盗まれたマイクロフィルムを知らずに掏り取ったスリを描く冷戦色のノワール『拾った女』は、その骨太で挑発的な映像の作風を確立し、一方『ショック集団』と『裸のキッス』は、俗悪で見世物すれすれの筋立てを用いて、精神疾患、人種差別、虐待をめぐる異例なほど率直な社会批評を忍び込ませた。数十年後に撮られ、自らの第二次世界大戦の戦闘体験に直に基づく『最前線物語』は、戦争の残忍な現実への生涯にわたる執心を、最も個人的で高く評価された作品へと蒸留した。挑発的で見出しをつかむ主題への、大衆紙で研ぎ澄まされた無骨な勘は、マーティン・スコセッシやクエンティン・タランティーノを含むのちの監督たちを決定づける影響をフラーにもたらした。
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