アシフ・カパディアはロンドンのハックニー生まれのイギリス人監督であり、従来の語り手インタビューではなく、ほぼ全編を記録映像から組み上げる革新的なドキュメンタリーで名高い。レース映像やホームビデオ、音声インタビューを寄せ集め、F1ドライバーのアイルトン・セナの生と死を綴った『セナ 音速の彼方へ』で、カメラ前のインタビューを完全に排した没入的な記録映像の技法を確立した。同じ手法を歌手エイミー・ワインハウスの悲劇的な生涯に用いた『AMY エイミー』は、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、ホームビデオへの親密な接近ゆえに称賛と批判を等しく浴びながら、史上でも屈指の音楽ドキュメンタリーとなった。『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』は、苦悩する天才を綴った記録映像三部作をアルゼンチンのサッカー選手へと広げた。記録映像のみによる革新的な人物ドキュメンタリーの手法が、彼を同世代で最も個性的なノンフィクション作家のひとりにしている。
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